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営業ハウツー

いまさら聞けない「The Model」とは?

近年さまざまな企業で導入されるようになり注目を集めている営業スタイル「The Model」は、Salesforceが提唱した概念であり、2019年に発売された福田康隆氏による書籍『The Mode』でその手法が一躍日本中で話題になりました。

本記事ではThe Modelを実践することで何ができるかを詳しく解説していきます。

目次

1.The Model とは?
2.The Modelの特徴
3.The Modelにおける四つの部門とその役割
4.The Modelを活用するメリット
5.The Modelを活用するデメリット
6.まとめ


1. The Model とは?

The Modelとは、セールスフォース社で実践されているBtoBマーケティングや営業活動プロセスに関する分業体制のことを指します。プロセスはマーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、そして顧客化してからのカスタマーサクセス四つに分かれており、各プロセスごとの権限とKPIを設定し、部門を超えた連携をすることによって営業効率の向上や売上拡大に繋ぐことができます


2. The Modelの特徴

まず、営業プロセスを切り分け、各部門での情報を数値化・可視化することです。また、部門間での連携を強くすることで、顧客満足の向上にも繋がります。従来の営業は1名の担当者が全プロセスを担当することも多く、マーケティングや営業活動が属人化しがちで情報の数値化や可視化が困難でした。しかしThe Modelという分業体制をとり、各部門でKPI設定をすることによって、業務全体が可視化され、問題点もすぐに発見することが可能になりました。


3. The Modelにおける四つの部門とその役割

The Modelでは、下記四つの部門に分かれています。

①マーケティング
②インサイドセールス
③外勤営業(アウトサイドセールス・フィールドセールス)
④カスタマーサクセス

ここでは部門ごとの役割をご紹介します。

<マーケティング>

マーケティングはThe Modelの方向性を決める重要な部門になります。獲得すべきターゲットの設定や効率的にターゲットに接触する手段を実行する必要があります(集客・潜在顧客獲得)。また、そこから新たなリード獲得やナーチャリングを行い、見込み顧客化を図ります。

例)
・Web広告の出稿
・展示会への出展
・SNSの運用
・メルマガの配信 etc…

セールスからのフィードバックを商品開発部門に伝え、顧客解像度を上げ、売れる仕組みを作るのもマーケティングの役割になります。

<インサイドセールス>

マーケティング部門が見つけ出した潜在顧客へアプローチを行い、商談を進める部門になります。メールや電話など、非対面でのコミュニケーションを行っていきます。マーケティングから引き継いだリードの行動履歴などの事前情報を元に会話を進めるので、効率的なヒアリングが行えます。単に商品やサービスを進めるだけではなく、継続的にコミュニケーションを取ることが重要で、購買意欲を高めるリードナーチャリングも実現しやすくなります。

商談化するタイミングでフィールドセールスに引き継ぎになります。

<外勤営業(アウトサイドセールス・フィールドセールス)>

インサイドセールスが良好な関係を築いた顧客に対して、具体的な提案を行う部門になります。フィールドセールスは顧客先へ訪問したりオンラインで商談を行い、クロージングまでを担います。見込み顧客を顧客に変える、契約を目的としたすべての活動が対象になります。インサイドセールスから引き継いだリードの課題を把握した状態で、自社サービスを活用した解決案を提案します。最終交渉から稟議、契約に至るまで丁寧にフォローしていきます。

契約が完了して、顧客化したタイミングでカスタマーサクセスに引き継ぎになります。

<カスタマーサクセス>

カスタマーサクセスはリードが顧客になった後の活動をサポートする部門になります。自社サービスを導入した顧客のビジネスを成功に導くために、サービスの使い方を示し、必要があればアップセル、クロスセルを促します。近年、カスタマーサクセスが注目されている背景に、サブスクモデルやSaaSモデルの流行がうかがえます。売って終わりではなく、継続が売上のカギとなるのです。


4. The Modelを活用するメリット

①それぞれの専門性や効率を高められる

営業活動のすべてのプロセスを一人の営業マンが担当することは効率的ではありません。業務を細分化することで部門ごとの専門性を高めることができます。集中して業務を行うので効率化が進み、結果より多くの顧客獲得や利益増加につながります。

②営業プロセスのなかの弱点を把握できる

The Modelを取り入れれば、部門ごとにKPIを設けられるのでどの部門に問題があるかを可視化できます。つまり自社の弱点を把握することができます。トラブルが起きてもスピーディーにPDCAサイクルを回せるようになり、自社の営業力の向上を図れるようになります。

③人の入れ替わりに対応しやすい

The Modelをしっかり構築することができれば、人材が入れ替わるタイミングでも営業力が落ちるリスクを防げます。従来型の営業組織は担当者が一人で顧客対応をすることが多く、属人的になる傾向が強いという問題があります。しかしThe Model型の仕組化された営業組織では一部の人材が入れ替わっても全体的な営業力が極端に落ちる心配はありません。

④再アプローチが可能な案件を可視化できる

見込み客の全てが自社の商品やサービスの購入に至るわけではありません。The Model型の仕組みでは、購入に至らなかった見込み顧客を可視化し、マーケティング、インサイドセールスによる長期的なフォローも可能になります。急速的なアプローチによって新規案件になることも少なくありません。


5. The Modelを活用するデメリット

部門間での連携がこれまで以上に必要

The Model は営業組織を分業体制で稼働していることもあり、組織が分断しやすくなります。つまり、分業体制によって業務効率は上がりますが、部門間の意思疎通などができないことでデータやノウハウが部門内で閉じてしまい、チーム間の連携が困難になる可能性があります。


6. まとめ

<The Modelで業務の効率化と顧客満足度を実現する>

The Modelは、営業業務全般の効率化を実現するだけでなくマーケティングからインサイドセールス、外勤営業、カスタマーサクセスまですべての部門が連携することで顧客満足度を高め、LTV(Life Time Value「顧客生涯価値」)の増大を図ることが可能になります。自社の営業組織をより強くするために是非この概念(The Model)を参考にしてみてください。

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