目次
1.RPAとは？
2.RPAが注目されている背景
3.RPAとAIの違い
4.RPAの３つのクラス
5.RPAの導入メリット
6.RPAの導入デメリット
7.まとめ
1.RPAとは？
RPAは、Robotic Process Automationの略称です。RPAは、ソフトウェアロボットを使用して、反復的なビジネスプロセスを自動化する技術のことを指します。また、RPAはコンピューターソフトウェアを使用して、人間が通常行っているタスクや処理を模倣し、自動的に実行することができます。これには、データ入力、データ抽出、データ処理、レポートの生成などの様々な作業が含まれます。RPAは、既存のシステムとの統合やデータの転送、作業のスケジュール管理などを効率化するために使用されます。
2.RPAが注目されている背景
RPAが注目されている背景には、以下の2つが挙げられます。
・自動化と効率化の需要
企業は、効率を向上させ、業務プロセスを迅速かつ正確に実行する方法を求めています。RPAは、反復的でルーチンなタスクを自動化することで、人間のエラーや遅延を排除し、業務プロセスの効率化することから、RPAへの注目が高まっています。
・人手不足
少子高齢化とそれに伴う労働人口の現象により、深刻な人手不足が起こっています。特にIT人材は人手不足が深刻です。2030年には約59万人程度のIT人材が不足すると言われています。RPAは簡単なロボットであればプログラミングの知識がなくても作ることができると言われており、ITエンジニアが不足する現代において注目を集めています。
3.RPAとAIの違い
RPAとAIの違いは、判断を自動化を行うか行わないかです。RPAは、製作者によって決められたルールどおりに動くため、シンプルな業務を確実にこなしてくれます。一方AIは、大量のデータにもとづいてシステム自身で判断し定められた業務をこなします。要するに、RPAの強みは単純作業を正確に実施する点で、AIの強みは人間の判断をある程度の精度で代替してくれる点にあるといえるでしょう。
RPAのクラス
RPAは対応できる自動化レベルにより、次の3つのクラスに分類されます。
クラス1：RPA（Robotic Process Automation）
クラス2：EPA（Enhanced Process Automation）
クラス3：CA（Cognitive Automation）
・RPA（Robotic Process Automation）
情報取得や入力などの単純な定型業務に適用されます。例をあげると特定のアプリケーション内にあるデータを抽出し、企業の基幹データベースに登録するといった、情報の受け渡し作業の自動化に活用されるケースが多いです。
・EPA（Enhanced Process Automation）
RPAとAI（人工知能）の技術を用いて、情報解析や非構造化データの読み取りなど非定型作業の自動化に適用されます。例をあげると顧客からの問い合わせ対応は、内容に応じて適切な回答を判断しなければならないため、非定型業務の典型と言えます。
・CA（Cognitive Automation）
ディープラーニングや自然言語処理、分析や改善、意思決定までを自動化します。RPAの最終形態であり、搭載された自律型AIが機械学習を繰り返し、自らの判断と意思決定の精度を向上させられるのが特徴です。CAはほとんど実用化されていないのが実態です。
4.RPAの導入メリット
RPAの導入には、以下のようなメリットがあります。
①生産性の向上
RPAは、ルーチンで反復的な作業を自動化するため、作業時間や労力を削減します。これにより、従業員はより戦略的なタスクに集中することができ、生産性が向上します。
②エラーの減少
人間が行う作業にはヒューマンエラーが発生する可能性がありますが、RPAは正確性が高く、一貫性のある作業を行います。そのため、エラーの発生を減らし、品質を向上させることができます。
③作業時間の短縮
RPAはタスクを高速かつ効率的に処理するため、作業時間を大幅に短縮することができます。これにより、プロセスの実行時間や応答時間を改善し、顧客満足度を向上させることができます。
5.RPAの導入デメリット
RPAの導入には以下の３つデメリットがあります。
①複雑なプロセスへの適用の制約
RPAは主に反復的でルーチンなタスクの自動化に向いていますが、複雑なプロセスや判断を要するタスクには制約があります。人間の判断や対応が必要な場面では、RPAだけでは対応できないことがあります。
②変更への対応の難しさ
RPAは特定のプロセスに対して設計・構築されますが、業務の変更やアップデートがあった場合、RPAを変更する必要があります。プロセスの変更に対して迅速に対応するためには、RPAのメンテナンスや管理が重要です。
③インフラストラクチャの制約
RPAは既存のシステムと統合して動作することが多いため、特定のインフラストラクチャ要件を満たす必要があります。
6.まとめ
本記事では、近年注目を集めている時代背景やRPAの導入メリットなどを紹介してきました。あらゆる業界でDXの重要性が高まりつつある昨今、業務効率の改善やイノベーションを創出するためには、RPAをはじめとしたデジタル技術の活用が不可欠です。ぜひ、本記事を読んでRPAの導入を検討してみてはいかがでしょうか？
