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採用ハウツー

今注目を集める「リファラル採用」とは? 導入するメリット、デメリットを解説

少子高齢化により労働人口の減少が問題となる中、企業はいかに優秀な人材を確保するか、自社に合う人材をどのように探すかが大きな課題となっています。そこで今回は、既存社員からの紹介で優秀な人材に出会い、比較的ミスマッチが少なく採用できる「リファラル採用」についてご紹介します。

目次

1.リファラル採用とは
2.リファラル採用が注目されている背景
3.リファラル採用と縁故採用の違い
4.リファラル採用のメリット
5.リファラル採用のデメリット
6.まとめ


1. リファラル採用とは

リファラル採用とは、現在社員である人に知り合い・友人・家族などの人材を企業に推薦・紹介してもらい採用する手法です。ちなみにリファラル(referral)には、「推薦」や「紹介」という意味があります。社員に自分の周りにいる人を紹介・推薦してもらい採用することで、優秀な人材を確保することを企業は目的としています。リファラル採用は欧米では広く取り入れられている採用方法で、日本でも導入する企業が増えています。


2. リファラル採用が注目されている背景

リファラル採用が注目されている理由の一つに「効率性」があります。採用プロセスで最も時間がかかるのが人材のスクリーニングや面接ですが、リファラル採用ではこれらのプロセスを大幅に短縮できるため、採用までの期間が短くなります。また既存社員が知っている人材であるため、企業や社員との相性もよく定着率も高いと言えるでしょう。


3. リファラル採用と縁故採用の違い

リファラル採用とよく混同される採用方法に「縁故採用」があります。縁故採用とは、企業の社員やその関係者と縁故がある人材を採用する採用方法のことで、「コネ採用」とも言われています。縁故採用では、社員の友人や親族が企業の求人に応募した場合、その関係性を理由に採用することがあります。リファラル採用と縁故採用は、どちらも人脈を活用する採用方法であることが共通点ですが、その違いは以下の通りです。 

①採用基準

リファラル採用では、紹介された人物が採用基準を満たしているかどうかを適切に判断する必要があります。一方、縁故採用では、その人物が採用基準を満たしているかどうかよりも、関係性があることが採用の重要な要素となります。

②採用方法

縁故採用は通常の選考フローを介さない場合がありますが、リファラル採用は紹介後に面接など正規の入社試験を経ることが多いようです。

③採用確度

高確率で採用につながる縁故採用に対し、リファラル採用は採用前提ではないため、本人のスキルや能力次第となります。

④紹介者との関係性

リファラル採用では、社員が自身の友人や知人、元同僚など、一定の関係性がある人を紹介することが前提です。一方、縁故採用では、親族や家族など、より近い関係性にある人物を紹介することが一般的です。


4. リファラル採用のメリット

リファラル採用にはどのようなメリットがあり、注目を集めているのでしょうか。

①コスト削減

リファラル採用は、求人広告費や人材紹介会社などへの人材紹介料が必要ないため、採用コストを抑えることができます。リファラル採用では紹介してくれた社員に報酬を支払う場合もありますが、そうであっても人材紹介会社へ支払う金額と比較して、採用コストは大幅に削減できます。

②高い採用成功率

自社の求める人材や社内環境、企業理念を理解している既存社員が自社に合いそうな人材を紹介するため、採用成功率は高いとされています。また、応募者側も推薦者である既存社員から求められるスキルや能力、社風などについて説明を受けているため、入社前と入社後のギャップは起きづらく、長期的な雇用に結びつきやすいとされています。

③組織への適合性が高い

既存社員が紹介する人物は、既存社員自身が在籍する組織と同様の業種や職種の経験を持つことが多く、文化やビジョンなどの共通点があることが多いため、応募者が組織に適合する可能性が高いとされています。したがってリファラル採用により採用された人材は、比較的すぐに職場に適応し、定着率も向上すると言えます。


5. リファラル採用のデメリット

リファラル採用には様々なメリットがあり、企業にとってはとても良い採用方法に見えますが、デメリットもあります。

① 多様性の欠如のリスクがある

リファラル採用は、既存社員が自分の友人や家族を推薦することが多いため、その人物と同じ背景や意見を持つ場合があります。これにより、企業内の意見やアイデアが偏り、多様性が欠如する可能性があります。外部からの新鮮な視点を持つ人材を見つけることが難しくなる可能性があります。 

②人間関係に配慮が必要

リファラル採用が「人と人の繋がり」を活用する採用方法であるがゆえに、人間関係に配慮が必要です。例えば既存社員が紹介した人材が不採用となった場合、気まずさから紹介者と紹介された人材の関係が悪化してしまう場合があります。採用となった場合でも、入社後に一方が転職や離職を選択すると、もう一方も転職や離職を検討してしまうといったケースもあります。

③既存社員の負担となる場合がある

リファラル採用によって既存社員が採用プロセスや紹介業務に時間を費やすことがあり、その場合は一時的に負担となることがあります。またリファラル採用の仕組みが複雑で煩雑であるほど、既存社員は紹介するために様々なプロセスが必要となり負担が増すことになります。あくまでも既存社員は「紹介」だけを行うようにし、採用担当が先行のスケジュールの調整などは行うようにすることが、社員の負担を軽減させるためにも必要となるでしょう。


6. まとめ

リファラル採用は、効率的かつ有効な採用方法であるとされており、労働力不足の現代では注目を集めています。リファラル採用にはメリットもありますがリスクやデメリットもあるため、リファラル採用を取り入れる上でのメリット・デメリットをしっかりと理解し、適切な採用方法を選択することが求められます。

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