目次
1.MMRとは
2.MMRの分類
3.MRRの計算方法
4.ARRとの違い
5.MRRが注目されている背景
6.MRRを活用する際の注意点
7.MRRを改善するための施策
8.まとめ
1.MMRとは
MRR（Monthly Recurring Revenue）は、主にSaaS企業などのサブスクリプションベースのビジネスにおいて重要な指標であり、月ごとに繰り返し発生する収益を測定するための指標です。MRRは、定期的に支払われるサブスクリプション料金の合計を集計し、予測可能な収益を示すことで、ビジネスの安定性や成長の評価に役立ちます。一時的な収益要素を除外することで、より精確な収益の見通しを得ることができます。
2.MMRの分類
MRRは、さまざまな分類方法によって異なる側面から分析できます。以下にMRRの一般的な4つの分類をご紹介させていただきます。
・New MRR
新たに獲得した顧客からのMRRを指します。新規契約によって得られる収益を表します。
・Downgrade MRR
既存の顧客がより低額なプランに切り替えた場合に減少するMRRです。
・Churn MRR
顧客の退会により失われるMRRで、定期的な収益の減少を示します。
・Expansion MRR
既存の顧客が追加の製品やサービスを購入した際に増加するMRRです。
3.MRRの計算方法
基本的なMRRの計算方法は「月額利用料」×「顧客数」で算出することができます。
契約プランが複数ある場合は利用料の部分をプランごとに当てはめたり、契約期間が異なる場合は「月額利用料」×「顧客数」÷「契約月数」で月額のMRRを算出することも可能です。下記の方法で計算することで、今月のMRRが算出できます。
MRR＝前月MRR＋（New MRR＋Expansion MRR－Downgrade MRR－Chum MRR）
4.ARRとの違い
MRRとARR（Annual Recurring Revenue）は、どちらもサブスクリプションベースのビジネスにおける重要な収益指標ですが、時間軸と計算方法が異なります。MRRは、月ごとに繰り返し発生する収益を測定するのに対してARRは、年間で予測される繰り返し収益の合計を示します。MRRの12か月分の合計を計算して得られます。ARRは将来の収益見通しを提供し、長期的なビジネスの健全性を評価する際に役立ちます。月ごとの安定性を見る場合はMRR、長期的な収益見通しを知りたい場合はARRに注目しましょう。
5.MRRが注目されている背景
MRRが注目されている主な背景は、サブスクリプションビジネスモデルの拡大と成長に関連しています。以下にMRRの注目される背景を3つ挙げます。
①サブスクリプションビジネスモデルの普及
近年、サブスクリプションビジネスモデルが広まり、多くの企業が定期的な収益を持つことを重視しています。MRRはこのビジネスモデルに適した指標であり、予測可能な収益を評価するために注目されています。
②収益の安定性と成長の評価
MRRは毎月の収益を示すため、企業の収益の安定性を把握するのに役立ちます。また、顧客の継続的な支払いを重視することで、顧客保持と成長戦略を評価する上でも重要な指標として注目されています。
③投資家や株主の関心
MRRは、サブスクリプションビジネスの健全性を示す重要な指標であり、投資家や株主の関心を引きます。持続的な収益成長を示すMRRは、企業価値の向上に寄与する要素として重視されています。
6.MRRを活用する際の注意点
MRR（Monthly Recurring Revenue）を活用する際の注意点は、指標に依存することなく、総合的なビジネスの評価を行うことが重要です。MRRは収益の安定性や成長を示す有用な指標ですが、一時的な変動や顧客の離脱などが影響する可能性があります。そのため、他の指標と組み合わせて評価することでより洞察力のある分析が可能となります。また、アップセルやダウングレードを区別し、定期収益の持続性を確認することも重要です。ビジネスの状況や業種に応じて、MRRの計算方法や定義を適切に設定し、的確な意思決定に役立てることが大切です。最終的に、MRRを単なる数値として捉えるのではなく、ビジネスの健全性や戦略に対する洞察を得るために継続的なモニタリングと分析が必要です。
7.MRRを改善するための施策
MRRを改善するための2つの施策を紹介します。
①顧客のリテンションと満足度向上
顧客の長期的な継続を促進するために、優れたカスタマーサポートを提供し、問題解決に努めます。顧客のフィードバックを積極的に収集し、改善点を把握してサービスを向上させることで、顧客の満足度を高めることが重要です。満足度の向上はリテンション率の向上につながり、定期的な収益の安定性を確保します。
②アップセルとクロスセルの推進
既存の顧客に対して、より高額なプランや追加のサービスを提供するアップセルや関連商品のクロスセルを行います。顧客のニーズを的確に理解し、ターゲティングを行うことで、顧客が付加価値を感じるオファーを提供できます。アップセルとクロスセルにより顧客の収益を増加させることで、MRRの向上に貢献します。
8.まとめ
本記事ではMRRの4種類や計算方法、改善するための施策を紹介してきましたがいかがだったでしょうか？4種類のMRRを検証・分析・改善することで、企業の成長につなげられる可能性があります。ぜひ、ビジネスの成長をはかる指標としてMRRを活用しましょう。
