KPIは上司との目標設定などで頻繁に登場するビジネス用語です。いまやほとんどの会社で使われている「KPI」とは具体的に何を意味しているのでしょうか。今回はそんな「KPI」について詳しく解説します。
目次
1.KPIとは?
2.KGIの違い
3.SFAとCRMの活用方法
4.KPIのメリット
5.KPIのでデメリット
6.まとめ
1. KPIとは?
KPI(Key Performance Indicator)とは、組織や個人の業績や進捗を評価するための重要な指標です。また、日本語では「重要業績評価指標」と呼ばれます。会社が掲げた大きな事業目標を達成するためには、目標達成に必要なプロセスを具体化して考える必要があります。そのために、目標に対しての達成度合いを数値化して、計測できるようにした指標がKPIです。
2.KGIとの違い
KPIと似たような言葉にKGIがあります。KPIとKGIは、組織やプロジェクトのパフォーマンスを測定するための指標ですが、違いを詳しく説明します。
KGIとは?
まず、KGI(Key Goal Indicators)とは、組織やプロジェクトの戦略的な目標や方向性を示す指標です。KGIは組織のビジョンや長期的な目標に関連し、定量的な数値だけでなく、定性的な要素や主観的な指標も含みます。顧客満足度やブランド価値などの目標を評価し、組織の戦略的な進捗状況や成果を測定します。
KGIとKPIは互いに密接した関係にありますが、その意味は大きく異なります。KGIはビジネスの最終目標を定量的に表したものであり、いわば企業が目指すゴールともいえる指標です。対するKPIは、そのKGIを達成するために、一つひとつこなしていかなければならない中間目標となる指標です。つまり、KPIの達成を重ねていくことで、最終ゴールであるKGIを目指すというのがKGIとKPIの相互関係となります。一つのKGIに繋がるように、複数のKPIを段階的に連ねていく関係性を「KPIツリー」といい、下位にあるKPIを着実にこなしていくことで、上位にあるKGIに到達する仕組みになっています。
3.SFAとCRMの活用方法
KPIの観点からSFAとCRMを活用する方法は以下のようなものがあります。
①SFAの活用方法
・営業活動の効率化
SFAを使用して、営業プロセスを自動化し、営業担当者のタスク管理やスケジュール管理を効率化します。これにより、営業活動の生産性や効率が向上し、売上目標の達成に貢献します。
・見込み顧客の管理
SFAを使って見込み顧客の情報や進捗状況を追跡し、営業パイプラインを可視化します。
②CRMの活用方法
・顧客情報の収集と管理
CRMを使用して顧客情報を収集・統合し、顧客プロファイルや購買履歴などの情報を一元管理します。これにより、顧客の特性や行動パターンを把握し、ターゲットセグメントや顧客セグメンテーションを行うことができます。
・顧客対応の改善
CRMを活用して顧客とのコミュニケーションを追跡し、顧客対応の品質や効果を評価します。顧客満足度や問い合わせ対応時間などの指標をモニタリングし、KPIと関連付けて改善策を検討します。
4.KPIのメリット
KPIの代表的なメリットを3つあげます。
①目標の明確化とフォーカス
KPIは組織や個人の目標を明確化し、行動計画の方向性を提供します。具体的な数値や指標を使用することで、何を達成すべきかが明確になります。これにより、関係者は目標に集中し、リソースを最適化することができます。
②パフォーマンスの評価と改善
KPIはパフォーマンスの評価に役立ちます。定量的なデータや指標を使用して、組織やプロジェクトの進捗や成果を評価します。KPIのモニタリングにより、問題や課題を早期に発見し、改善策を講じることができます。パフォーマンスの可視化と分析により、効率性や効果性を向上させるための具体的な対策が見えてきます。
③目標達成の促進とモチベーション向上
KPIは目標達成に向けた取り組みを促進します。明確な目標と進捗の可視化は、関係者の意識を高め、目標に向かって努力する意欲を高める効果があります。また、パフォーマンスの評価や成果の可視化は、個人やチームのモチベーション向上につながることがあります。
5.KPIのデメリット
KPIの代表的なデメリットを3つあげます。
①適切な指標の選択の難しさ
KPIの選択は重要な課題です。適切な指標を選択しない場合、目標との関連性が低くなったり、組織の戦略との一致が欠如したりする可能性があります。誤った指標を使用すると、結果を正確に反映することができず、誤った方向に行動を取る可能性があります。
②数値に偏重した視点
KPIは数値やデータに基づいて評価されるため、数値に偏重した視点が生まれる場合があります。これにより、他の重要な要素や非定量的な側面が見落とされる可能性があります。組織の全体像や顧客の満足度などの重要な要素を定量的な数値だけで判断することは難しい場合があります。
③ピンポイントな視点の欠如
KPIは特定の目標や指標に焦点を当てるため、全体像を把握することが難しい場合があります。KPIはあくまで特定の要素を測定するため、他の重要な要素や関連する要因を見逃す可能性があります。組織やプロジェクトの状況を包括的に理解するためには、KPIだけでなく他の情報や視点も考慮する必要があります。
6.まとめ
本記事では、KPIとは具体的に何を意味しているのかやKGIとの違い、KPIの観点からのSFA・CRMの活用方法を分かりやすく解説しました。KPIは組織やプロジェクトの目標設定、パフォーマンス評価、改善、および目標達成を支援する有用なツールです。適切に選択され、適切に使用されることで、効果的な意思決定や成果の最大化に寄与します。確実なKPI達成を効率的に行っていきましょう。