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ARPUとは?計算方法やメリットをご紹介!

目次

1.ARPUとは?
2.ARPUの計算方法
3.ARPA・ARPPUとの違い
4.ARPUのメリット
5.ARPUのデメリット
6.まとめ


1.ARPUとは?

ARPU(Average Revenue Per User)は、企業やサービスプロバイダーが顧客から得る平均収益を示す指標です。ARPUは特定の期間(通常は月次または年次)における総収益を、その期間内での総顧客数で割ることで計算されます。。

ARPUは特に通信業界やサブスクリプションベースのビジネスモデルで一般的に使用されます。例えば、携帯電話事業者は月ごとのARPUを計算し、顧客が平均的にどれくらいの収益を生成しているかを把握することができます。この情報をもとに、価格戦略や顧客獲得戦略を調整したり、収益を最大化するための施策を講じたりすることが可能です。


2.ARPUの計算方法

ARPUは以下の計算式で求められます。

合計売上高÷アクティブユーザー数(ある期間内にサービスを利用したユーザーの数)

例えば、アクティブユーザーが500人で売上高が6万円の場合、ARPUは以下のとおり算出されます。

60,000円÷500人=120円

※上記の計算式で求められるのは、過去の売上高に対するARPUに限定されます。


3.ARPA・ARPPUとの違い

ARPUの他にも似たような言葉に「ARPPU」や「ARPA」などがあります。これらは、ARPUとどのような違いがあるのでしょうか。以下で詳しく解説します。

・ARPAとの違い

ARPAは「売り上げ÷アカウント数」の計算式で求められます。ARPUとの違いは、1ユーザーではなく1アカウントあたりの売り上げを求める点にあります。

たとえば、KDDIでは、従来のARPUを見直してARPAを導入しました。携帯端末が普及したことにより、スマホやタブレットなど一人で複数の端末を持つことも珍しくありません。

そのため、端末1台あたりの売上高をあらわすARPUよりも、契約者数1人あたりの売上高を示すARPAを採用したほうが、より実態に近い数値を把握できるようになるのです。

・ARPPUとの違い

ARPPUは「Average Revenue per Paid User」の略で、課金ユーザー一人あたりの平均課金額を示す指標で、主にソーシャルゲームで活用されます。ARPPUは「売り上げ÷課金ユーザー数」の計算式で求められ、「ARPPU×ユーザーの課金率」がARPUになります。

ARPUとの違いは、全ユーザーではなく課金ユーザーのみを対象にしている点にあります。たとえば、会員数が10万人、課金率が50%で課金ユーザーが5万人、売り上げが5000万円ならARPUは500円、ARPPUは1000円です。ソーシャルゲームのユーザーには、無料で楽しむユーザーと課金してプレイするユーザーがいます。無料ユーザーがどんなに増えても、売り上げは伸びません。ユーザーのロイヤルティを高め、アイテム課金やプレミアムサービスなどによって、どれだけマネタイズできるかが重要になります。実態を正確に把握して収益を高めるために、課金ユーザーを対象としたARPPUの活用が効果的です。


4.ARPUのメリット

ARPUの代表的なメリットは以下の3つです。

①収益評価と比較

ARPUは、特定の期間内に得られる平均収益を示すため、ビジネスの収益性を評価するのに役立ちます。異なる期間や市場セグメント間でARPUを比較することで、ビジネスの健全性や成長のトレンドを理解しやすくなります。高いARPUは、収益を最大化するための機会を示し、低いARPUは改善の余地があることを示唆します。

②料金戦略の最適

ARPUは価格設定戦略を評価し、調整するのに役立ちます。顧客が平均的に支払っている金額を理解することで、価格の適切な設定やパッケージの改善が可能です。高いARPUを目指すか、大量の顧客を獲得して低いARPUでも利益を確保するか、戦略を立てる際に情報を提供します。

顧客価値の評価

ARPUは、個々の顧客の価値を評価するための出発点として使用できます。特定の顧客セグメントや個人のARPUを分析することで、収益の主要な貢献者や高価値顧客を特定し、それに基づいてターゲティングやマーケティング戦略を調整できます。顧客価値の最大化を追求するために、リテンション(顧客維持)戦略やクロスセル・アップセルの機会を特定するのに役立ちます。


5.ARPUのデメリット

ARPUの代表的なデメリットは以下の3つです。

①平均化の問題

ARPUは平均値を示す指標であり、個々の顧客の収益を均等に分散した結果です。しかし、ビジネスには異なる収益を持つ顧客が存在します。高額のプランを購入している一部の顧客が収益を大きく引き上げている一方で、低額のプランを利用している多くの顧客がいる場合、ARPUは実際の収益の分布を反映せず、ビジネスの全体像を正確には表現しません。

②成長と規模の制約

ARPUは一定期間内の収益を顧客数で割ったものであるため、ビジネスの成長や規模によって影響を受けます。新たな顧客を獲得するための成長戦略を追求する場合、初期段階ではARPUが低くなることが一般的です。このため、ビジネスが成長して顧客ベースが拡大するにつれて、ARPUの向上が難しくなることがあります。

③顧客獲得コストの無視

ARPUは収益に焦点を当てており、顧客獲得にかかるコストを考慮していません。顧客を獲得するために必要な広告費やマーケティング費用、販売費用などが顧客から得る収益と比較されないため、実際の利益を評価するためには追加のメトリクスが必要です。高いARPUを持つ顧客を獲得するために高額なコストがかかる場合、ROI(投資収益率)の観点から収益性が低い可能性があります。


6. まとめ

さて、本記事ではARPUの計算方法やメリットなどをご紹介してきましたがいかがだったでしょうか?競合企業の参入や価格競争の激化により、新規顧客を創出するのがますます難しくなる昨今において、ユーザー単体の売上高に着目したARPUという考え方は重要な意味を持ちます。ぜひ、ARPUを向上させて安定した売上を確保しましょう。

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